「TSUNAGUトート」ができるまで vol.2

vol.2 アートクラブ「atelier QUOKKA」の活動をひもとーく

今年10月から販売を開始し、11月3日(金)〜5日(日)の3日間行われる「エス・ウェル・フェス」でも販売される、
TSUNAGUトート」がどのようにして生まれたのか、2回にわたってひもとく特集記事。
今回は「TSUNAGUトート」の企画にご協力いただいたアートクラブ、富士宮の「atelier QUOKKA」にお伺いしました。

松本 進さん(左)
特別支援学校の教諭として勤務する傍ら、藤枝「waC」富士宮「atelier QUOKKA」を立ち上げ。
スタッフとして活動している先生とバッグを持ってモデルをしていただきました!

「TSUNAGU トート」とは?

静岡県教育委員会の「民間企業研修」で研修生として赴任された特別支援学校教諭のアイデアから生まれた、地域福祉と道の駅が「つながる」当駅限定販売のトートバッグ。
特別支援学校卒業生を中心としたアートクラブ「waC」(藤枝市)と「atelier QUOKKA」(富士宮市)のメンバーが描いた当駅キャラクター「マモリくん」のイラストが施され、プリントは就労支援B型事業所「ブルービート」(伊豆の国市)が担当。

2023年10月から、道の駅物産販売所にて販売を開始。
11月3日(金)〜5日(日)実施の福祉イベント「エス・ウェル・フェス」でも、特別ブースでの販売を予定しています。

2012年にスタートした「waC」に続いて、富士宮で2021年にスタートした「atelier QUOKKA(アトリエ・クオッカ)」。
いずれも地域の特別支援学校の卒業生が、卒業後もアート活動ができるようにとスタートしたアートクラブです。
atelier QUOKKAでは、毎週第4日曜に、富士宮市の「西町レトロ館」に集まって活動をしています。

活動場所がお祭り準備のため、今回の活動場所は近隣の公会堂に
パステルやマーカー、色鉛筆など、各々好きな画材で絵を描きます

メンバーのみなさんは、ふだん職場や福祉事業所で働きながら、自分の絵を描いているそう。
クラブでは、みんなが一斉に同じものを描く時間が設けられているのではなく、それぞれ違うモチーフの絵を描いています。一心不乱に描いている人もいれば、「ぼんやり見ています」と途中で一回手をとめて絵を眺めてみる人もいて、それぞれが自分のペースで描き進めています。中には家で描いている人もいるんだとか。
その個性ある絵たちは多くの人の目に触れる展覧会での出品も多く、企業や自治体の商品に絵が起用された経験もあるとのこと。

松本先生はメンバーたちの出来上がった作品を話ながら講評したり、まとめたりで大忙しです。

カラーやモチーフから、描く人の個性がよく見えてきます
出来上がった作品や途中の作品をまとめている松本先生
松本先生

「TSUNAGUトート」に提供したメンバーの絵画の使用料は、それぞれのクラブの活動費用として画材の購入などに充てられます。
メンバーがのびのびと絵を描けるアトリエとして、メンバーが楽しく表現できる居場所となり、彼らのアートをひろく社会に発信していくことを目指しています。

最後は普段の活動場所に戻り、活動の予定や報告とともに、ひとつひとつ出来上がった作品を講評していく松本先生。
先生が作品によいところを見つけ、伝えていく時に見せる描いた人のうれしそうな表情や、展覧会に出品された報告を聞いたときに自然と出る感嘆の声から、普段から「楽しみながらのびのびと」活動するクラブの雰囲気を強く感じました。

トートバッグ完成にあたり、松本先生からのコメントをいただきました。

松本先生

(道の駅公式キャラクターである)「マモリくん」の説明をした時、直接知らないメンバーも多かったですが、とても嬉しそうにのびのびとイラストを描きはじめました。キュートで親しみやすく描きやすいキャラクターのおかげだと感じました。
そしてどのメンバーも、観た瞬間に迷いのないラインで一気に描き上げていました。
完成したマモリくんはまさに十人十色です。それぞれの個性が溢れていました。メンバーそれぞれが持つ表現スタイルとシンクロして自分だけのマモリくんになりました。

彼らの絵には人と人を結びつけていく凄いチカラがあります。
彼らの作品が函南でも強いインパクトで発信され、多くの人を繋いでいってほしいです。そして彼らが社会に貢献できたらとても嬉しいです。

昨年の「エス・ウェル・フェス」のウインドウアートは、atelier QUOKKAのメンバーである赤池 僚也さんが原案を手がけてくれました。丹那牛乳が推しである函南らしく、力強い3頭の牛が並ぶ赤池さんの絵を道の駅のウインドウに再現しました。
久しぶりの再会となった赤池さんですが、相変わらずの多作家で、制作途中の新作も見せてくれました。

昨年道の駅に来訪し、出来上がったアートにサインをしてくれました
クオッカで販売する2024年のカレンダーにも牛の絵が掲載されています

「エス・ウェル・フェス」では、アートクラブのメンバーが描いたマモリくんの絵が、ずらりと展示される予定です。
11月3日(金)には、研修生の鈴木ゆうか先生も一緒に「TSUNAGUトート」販売をしてくださいます。
ぜひ道の駅に足を運んで、バッグを手に取っていただきながら、彼らのイラストもご覧になってください!